

4月テーマ 国家安泰・無病息災から鍾馗
人の世には四百四病の病原菌があって、目に見えない菌が体に入って人々を病気にすると伝えられます。
無病息災を祈り願う代表的な演目として、多くの神楽団が継承する鍾馗。
茅の輪は顕微鏡、宝剣はメスと例えると優秀な医師の姿も浮かびます。
※一部分抜粋 文:石井誠治さん


無病息災・・病気をしませんように。悪いことが起きませんようにという祈りです。
~第四幕 津浪神楽団 鐘馗~
鍾馗ほど、その神楽団・社中のそれぞれの伝統や、味が滲み出るものはないと言われる程の演目。
代表する舞手がつとめるとも言われます。
お話を伺った末田 健治団長は、かつて鍾馗大神を舞っておられました。
『鍾馗大神は面をつけて舞うでしょう。その凄味のある面に負けん舞を舞わないといけないのです。』
『強い気迫、精神力を舞うには、決めるところ、決めるところで、息を止めて舞うんですよ。どこかで息継ぎはするけれども、しんどい舞だと思いますね。』


観ていると、鍾馗の気持ちになったり、鬼の気分になったりします。
鍾馗大神:末本光次さん 疫病神:栗栖 一真さん


先輩たちからの指導にも熱が入ります。
以前、舞い終わったばかりの控室で。
あんなにお客さんを魅了したばかりの舞手さんに。
先輩方からの注文が、センチ単位の所作の指摘でシビレマシタ

どこまでも終わりはなく。
「究極の」という言葉に不足の無い演目だと思いました。




初めて広島で鍾馗の鬼を拝見した時は。
その顔・色・地を這うような舞い方に衝撃を受けたものです。
広島生まれの疫神かと思いきや。
大元神楽の鍾馗の鬼、そして市木面の拡がり。
半目の鬼の面が育てた独特の舞ではないかというお話も有り、話は尽きません。




そして、鍾馗大神が宝剣をするどく突き刺す姿は、病と不幸を人の世から根倒しにしたいという願いではないか、と管沢良典(宮乃木神楽団)さんに話して頂いたことがあります。
2014,04,24 Thu 21:31


旭神楽団の皆さんの登場でした。
先週に引き続き、沢山のご来場ありがとうございました。
帰り際に。
『今日のブログ更新、できれば早くしてくださいね~

いつも、更新が早くない、砂田充教さんにお願いされましたので。
なるべく早くアップしたいと思います



4月テーマ 国家安泰・無病息災から塵倫
海の向こうから、渡りきた新しい産業と文化。
又、農作物に被害を与える自然の現象。
先人たちは、平穏な暮らしを妨げるものを鬼と見立て、物語を生み出したのかもしれません。



~第三幕 郷之崎神楽団 塵倫~
この度、月いち初登場となりました、郷之崎の皆さん。
大江山と塵倫を得意演目とされ、自慢の美しい羽の衣裳と共に、勇壮な舞を披露されました。
様々にある塵倫の解釈は別として。
地元・大朝に豊かな恵みをもたらす、神々への感謝の舞だということでした。
又、この演目は地域による伝わり方が大きく異なりますが。
“衣装見せ”をはじめとして、特徴的な所作が多く、それぞれに意味を持ち、興味深く拝見しました。


大江山でもコンビを組まれていますが、塵倫では二年半ぶり。
今年はこのコンビの舞が多く拝見できそうです。


又、肩切の裾の広がりを美しく魅せるのも、舞手の技量なのだそうです。


お話をしてくださった、宇川 友勝団長は。
急遽、奏楽を別の方と変更なさっていて、不思議に伺うと。
潮祓を稽古中、気合が入り、勢いよく頭を切りすぎて、一瞬にして首が動かなくなってしまったとのこと。
右にも左にも向けない団長さんを、団員さんたちは
宇川さんお大事に~



塵倫は一つの体から8つの顔が出ていたという説もありますね。


滑らかに揃えて伸ばされる手の所作、又、髪を持つ所作は、(女鬼の)女性らしさを現したものだろうというお話でした。


30年間大切に使い続けてきた羽付き衣装の着用モデルは、上長者 雅則さんです

いよいよ最終演目だよ~。
2014,04,23 Wed 22:37


心身共に喝を入れてもらえたような気がします。


今年度も3月まで全9回、開催が叶いそうです。
ひとえに。
毎月、足を運んでくださるお客様と。
多岐に渡ってご協力を頂く神楽団・社中の皆さんのお陰ですね。
オープニングでは、スタッフ・皆の想いからお話をさせていただきました。
「この月いちの舞は、広島・島根両県の伝わる神楽が、お互いの素晴らしい所を認め合い、いい意味でライバルとなって、“神楽する心”を高め合い、次の世代へ受け継がれるように願っています。」
「古代より伝承される神楽には、日本人の魂が込められています。
物語の背景、その意味をテーマにまとめ、探っていくたびに、神楽こそ、日本人の心を表現する、素晴らしい文化であることを知ることが出来るのです。」
※ほんの一部抜粋、文:石井誠治さん
今年も、月いちの舞台を、共に育てて頂きますよう宜しくお願いいたします。
4月テーマ 国家安泰・無病息災
神楽は大自然の営みに感謝を捧げ、五穀豊穣を祝う、農耕儀礼神楽が、まず第一と思われます。
母なる太陽賛歌:天の岩戸です。
~第一幕 雄鹿原上組神楽団 天の岩戸~


人にもそれぞれ役割があるのかなと思えてきます。
お話は、副団長の清水幸夫さん。
芸北にはまだ雪が残っているそうで。
冬の寒さが厳しい土地では、太陽の暖かさ・春の巡りへの喜びが一段と深く。
「天の岩戸=農業」という考えに基づいて、大切に継承される演目です。
明治の発足で、金城地域から伝わった神楽。
団員20数名は、全て氏子の皆さんで構成されています。
先人たちの訓えは「神楽を変えるなよ」。
現在のベテランから若手への訓えも「神楽を変えまぁで。」
人が変われば、神楽は自然に変わっていくものでもある、という考えを自然に受け入れながら。
伝統を守って次世代へ伝えていきたいと、一致団結されています。







続きますっ
2014,04,21 Mon 20:18


月いちの舞の趣旨・基本となるテーマに沿っての4演目。
演舞は勿論ですが、幕間の代表の皆さんのご挨拶がバラエティに富んで、改めて勉強させて頂きました。
後日、ご紹介いたします。
又、KAGURAの杜の特派員報告が、この度は石丸賢太郎さんですから。
かなり濃い記事がアップされると思いますので、お楽しみに~



いよいよ来週末から競演シーズンに突入します。
舞台の緊張感を力いっぱいの応援で包んで。
一緒に泣いたり笑ったり致しましょう。
又、神楽どころは、春の息吹を感じる気持の良い季節です。
新緑と神楽でリフレッシュは如何でしょうか?
週末のご案内を2つどうぞ

~春選抜 第14回吉和神楽競演大会~
4月26日(土)開場9:30 開会10:30
もみのき森林公園体育館
①四方祓い 大森神楽団
②旧舞の部 岩戸 石見神楽亀山社中
③新舞の部 羅生門 八重西神楽団
④旧舞の部 天岩戸 宮乃木神楽団
⑤新舞の部 滝夜叉姫 大森神楽団
⑥旧舞の部 大江山 龍南神楽団
⑦特別出演 神武 筏津神楽団
⑧新舞の部 滝夜叉姫 八千代神楽団
⑨旧舞の部 塵輪 川北神楽団
⑩新舞の部 日本武尊 神幸神楽団
⑪旧舞の部 鍾馗 三谷神楽団
⑫新舞の部 伊服岐山 東山神楽団
⑬特別出演 紅葉狩 大塚神楽団
問:はつかいち観光協会吉和支部 0829-77-2404
廿日市市吉和支所 0829-77-2111
詳細

http://www.yoshiwa-navi.jp/kanko/event.html
~田原温泉・神楽の宴(春)~
4月27日(日)11:00開場 12:00開演
天狗の里体育館(田原温泉隣)
①神迎え 琴庄神楽団
②塵 輪 石見神楽亀山社中
③八岐大蛇 宮乃木神楽団
④大楠公 津浪神楽団
⑤有 明 石見神楽佐野神楽社中
⑥大和葛城 宮乃木神楽団
入場料・お弁当は予約が必要
大人5,000円(特製神楽弁当・入浴券付き)
4才~小学6年生 3,000円(特製神楽弁当・入浴券付き)
3才以下無料(弁当なし)
問:Tel.0826-82-3888


神楽の宴ポスター

http://www.tawara-onsen.jp/2012/index.php?FrontPage
2014,04,20 Sun 22:02


いつもギリギリ。
ご来場、お待ちしております。
o(^o^o)いえい♪
ということで、今夜は送別会。
送別の品は(平凡ながら)少し豪華な写真立てを選びました。
カメラも持っていきます。素敵な写真が撮れると良いな~。


この日のお客さんの拍手は、活き活きと。
そして、欲しいところでバッチリ送られていました。
その正体は。
可部高校・神楽部の部員さん(引率者有)や。
北広島町や安芸髙田市からの神楽どころから、見に来てくださった方々でした。
外国の方や、初めての皆さんをリードしてもらっていたようです。。。


2年前に団長に就任された、47歳の若きリーダー、藤田丈二(じょうじ)さん。
=団長さんと言うのは、どんな役割ですか?=と伺ってみますと。。。
『神楽団は、仕事も立場も全然違う人間が集まっていますので、まとめようと思うと大変です。』
『若い人には言いたいこともはっきり言えますが。うちには神楽団を支えてこられた先輩方が沢山いてくださるので・・・先輩方には何も言えません

はつらつと正直な人柄は、先輩方の信頼と見守りの中で、日々役割をはたしていらっしゃるようです。
~第2幕 鈴鹿山~
翁があやめ姫をかばい、命を落としてしまう場面は、何度見てもとても悲しいものです。
その分、田村麻呂の正義と武勇が引き立つよう描かれていると感じます。
もともと保持されていなかった鈴鹿山は、12・3年前に、当時の人のやりくりがきっかけとなり、創作に至ったそうで。
今では、葛城山に続く得意演目です。
旧舞の伝統から、近年、新舞にも力を入れているという皆さんは。
奏楽も変化に富んでいて、惹きつけられます。


あやめ姫は、鈴鹿山の鬼神退治に向かう途中の田村麻呂に救われるという流れです。
翁の場面には、旧舞の囃子が組み込まれて面白いです。


英雄の心はどこまでも深く広いのですね~。


超ご機嫌~

あやめ姫を舞う栗栖 香織さんは、入団してから、舞手として稽古を重ね3年目です。
他にも、紅葉狩の白蜘蛛、奇稲田姫等を舞われています。
華奢で可愛らしい方ですが、腰を低く落とした、太い印象の舞を舞われます。これからは笛にも挑戦していくそうで、ご注目ください



仁哉(じんや)君4歳。家での遊びは100%神楽。
良い神楽を沢山見て、将来は舞台で舞う側になってね!




“好き”は、子供を大きく育てるんですね~。
次回の定期公演は23日(水)
旭神楽団の皆さんです。
開場6時半 開演7時
広島県民文化センター(中区大手町)
大江山・八岐大蛇
2014,04,19 Sat 15:38
