奥州一円を手に入れ、朝廷の言うことを聞かず。
我が世の春を謳歌する、阿倍貞任(あべのさだとう)・宗任(むねとう)兄弟。
ではでは
月いちの舞・東北ー鎮魂の物語ーを結んでいきます。
~第四幕 勿来の関 梶矢神楽団~
常磐自動車道・勿来インターをおりて南へ走ると「勿来の関公園」があり。
ここには、勇壮に戦う馬上の「八幡太郎義家」の像があります。
《同じ源氏と申せども、八幡太郎はおそろしや》とうたわれる義家は。
平安時代後期、奥州一円で力を揮う安倍一族を平定した武士です。
この戦いは、「前9年の役」と知られています。
それから150年の後、源頼朝が、武士の世・鎌倉時代を開きますが。
義家こそ、その礎を築いた英雄と伝えられています。
(筆・石井誠治さん、一部抜粋)
征夷大将軍・八幡太郎源義家は、出羽の豪族『清原武則』の援助を得て、平定に向かいます。
義家:上田正幸さん、清原武則:大久保俊祐さん。
勿来の関は、梶矢神楽団の皆さんのオリジナル演目です。
『もう、60年くらいは舞っとると思うんですがのっ。』と、長尾良文団長がおっしゃいます。
この戦いは、日本の歴史には「前九年の役」として刻まれ。
神楽では、梶矢神楽団の「勿来の関」から、宮乃木神楽団の「新羅三郎 後三年の役」に続いていきます。
そして、義家が安倍氏討伐に向かう途中、安達ヶ原の鬼女の物語が加えられているのは。
義家の武勲を、一層引き立てるためではないかと想像します。
馬子の藤太、待ってたよーチャリの話術で会場を湧かせ、見事な長口上で唸らせます!馬子の藤太(まごのとうた):田中克明さん。
前団長・上田照明さんが、とても楽しそうに大太鼓をつとめられるので、こちらもニコニコってなります
小太鼓:徳物一則さん、手打鉦:道庭 晃さん、大下(おおしも)真汰さん、笛:長尾良文さん。
義家たちは、馬子の藤太の道案内で、まずは鬼女退治へと向かいます。
しとやかな姫の正体はすでに分かっています。
姫:柴野 利成さん。
鬼女の化粧は、梶矢に長く伝わるものです。
鬼女お岩:柴野 竜二さん。
鬼女が恐ろしければ恐ろしいほど、義家の武勇を誇ります。
鬼女成敗のあと、勢いを得て、勇ましく敵陣へ乗り込む義家。
阿倍貞任:田中克明さん、宗任:行田雅春さん。
兄の貞任は討ち取られますが。
文武に長けた弟の宗任は命を奪うのが惜しいとして降参させ、家来とします。思いもよらぬ展開でした~。
2015,04,20 Mon 22:35