

演目が進むごとに役割が変わってきます。


将門記(しょうもんき)3部作、連続上演、初披露となりました。
一つの物語を紡ぐ、3神楽団の皆さん。
3演目を通して使用された、将門を象徴する御旗、また権力や領地を現す『宝刀』も、立派な脇役でした。
第一幕『新皇宣下(しんのうせんげ)』で、父の敵討ちを果たした、正義感に溢れた将門が、一転して第2幕『天慶の乱』では、“悪”として、従兄弟の平貞盛に討たれる設定は、因果応酬、何が正義か狂気か分からない時代背景が描かれています。
この物語の終着点テーマは“滅びの美学”。
第3幕『滝夜叉』では、五月姫・滝夜叉が、その終わりに『父上、兄上』と御旗を胸に抱いて昇天しますが、無念というよりは深い安堵だったでしょう。
将門と、五月姫を討たなければならなかった平貞盛もまた、哀れですね。




尼になって生きろ、と五月姫を逃した後、平貞盛との決戦。
八千代神楽団が継承する“土師調子”で舞われます。


里娘(実は五月姫)の色香に惑わされる光圀ですが、
貞盛によって救われます。


山王さんは、およそ10年前、福島県いわき市の恵日寺(えにちじ)で、五月姫の墓前に手を合わされています。
この度の震災への想いも込めての上演でした。
山王神楽団の滝夜叉姫はシンプル。すっきり無駄がなく。
故に、前 翔太さんの滝夜叉姫はより引き立ち、堂々と客席をのみ込みます。


満願の夜、後戻りできない道へと導く笛の音!素敵でした。


どの神楽団も、役者さんの美しいこと

揃いもそろって。。。もっとジロジロ見とけば良かった~~
2011,05,16 Mon 20:29
