準備万端整えて、紅葉狩の熱演に拍手を送る石川啓介さん(夜叉丸)。八幡台菩薩(栗栖 綱さん)とのコラボです。
今年の神楽スペシャルを締め括るのは
この度、最多のリクエストを集めた滝夜叉姫。
遠い時代に生きた平将門の志操は多くの人々の心に留まり。
現代の広島で、神楽で、舞われていることはとてもドラマチックですね。
~最終演目 滝夜叉姫 上河内神楽団~
「関東の人々の将門を慕う心は、将門の夢を叶えてくれる誰かを探し続け、いくつもの時代に渡り、何人もの滝夜叉姫の伝説をつくりあげたのです。」
石井誠治さん・文一部抜粋
復讐にこころひとつ。
滝夜叉姫を舞う藤田浩記さん。
悲しみに胸を痛め、父の無念を語る口上は、染み入るような美しい響きです。
そして、脇を固める夜叉丸・蜘蛛丸からは、既に心の動揺を超え滝夜叉姫への強い忠義が漂います。
闘いの終わりに、五月姫へと返る姿。
『普通の姫が、ある日突然大きな使命を背負わされて、お父さんのために鬼になるんじゃけぇ。せめて最後は綺麗な姿で成仏させてあげたい、いうんかねぇ。。。』
大太鼓・河野 達也さんが続いてお話されます。
『夜叉丸・蜘蛛丸も手下とか賊と呼ばれるけど。元は将門に仕えとった、ちゃんとした筋の武士じゃけぇね。』
各々の情に共鳴を呼ぶ滝夜叉姫です。
落とす目線に、滝夜叉姫の嘆きが宿ります。
大宅中将光圀も、陰陽の霊術を尽くして戦います。
面の早変え、息を止めて待つ緊張感を楽しみます。
満席のお客さんの期待、感激、喝采。
その終わりは繊細に描かれます。父と娘を思います。
2014,07,29 Tue 12:46