この日、鬼女を初めて舞う、東 友樹さん。今の気持ちは~?
『めちゃめちゃ緊張しています』
その緊張を分かち合い、解してくれる仲間がいます。
広島神楽定期公演、15回目の節目は
西宗神楽団の皆さんでした。
このところ、新しく入団された若い方々が着実に力を付け。
ベテランの皆さんの懐を借りながら、舞台で羽ばたき始めているようです。
「始まり」の昂りを、一緒に味あわせてもらえることは、とても嬉しい事です。
神楽団の歴史は、一人一人の歴史が合わさったものと、改めて感じます。
浜田から通う、中田 正則さんも、西宗の神(平貞盛)を初めて舞いました。手前は桒木 武さん(藤原秀郷)。
これからこのお二人の“神コンビ”を度々拝見できそうです。
ちなみに、初舞台の団員さんを見守るスタイルは人それぞれ
舞台袖で、自分の事のように緊張感を取り込み「二人は(東さん&中田さん)、よく頑張っとる!」と、独り言を繰り返す西村豊団長。
そうかと思えば舞台前に「今日はお客さんが多いわーっ」と、わざとプレッシャーをかけ、新人さんを追い込む桒木 武さん。
『だって、俺らも先輩方にそうされたもんっ』
飴と鞭。どちらとも先輩の愛には違いない!
~第一幕 筑波山~
横田神楽団より平成7年に師事されました。
一番初めに指導して頂いた演目で、今年20年めになります。
配役の世代交代もいくつかありました。
年月が経つにつれ、西宗色を意識するのでは?と伺ってみましたが。
『神楽の教えを乞うというのは特別なこと。
西宗の神楽の新しいスタートを切らせて頂いた演目ですので、年月が経つ程に、教えて頂いたことを忠実に守って舞いたいという気持ちが強いです。』
『そしていつかは“横田神楽団に負けんくらいよう舞うのぉ!”と言ってもらえるようになりたいですね』
西村団長のお話です。
~あらすじ~
藤原秀郷と平貞盛を討つれた平将門。
将門に仕えていた侍女は主の仇を討つため、筑波山に籠り修行を重ね、妖術を身につけ復讐を果たそうとする物語。
鬼女たちは巫女に姿を変え、毒酒をお神酒と偽り、秀郷、貞盛に勧めます。巫女=筑波山と思いますね。
鬼女:池田真彬さん、東 友樹さん(手前)
毒酒に倒れる秀郷と貞盛ですが、神徳の御加護により、鬼女の妖術は破れます。
平将門を慕う人々によって、後の世に数多くの物語が生まれました。
会場の視線を一身に集める時です。鬼:迫本 昭憲さん。
続きます。
2014,07,12 Sat 20:18