阿闍梨さんが悪狐の支度を丁寧に整えて・・・狐が見守る。
こういう場面、あたたかくていいな~。
「明治の初めごろから、夜になると電球に灯がつくようになります。
それまでの時代は、人もケモノたちも、太陽と共に月と共に、
一日・一年を暮していました(石井誠二さん・筆)」
月一の舞、すっごく楽しみにしていたんです!!
神楽で語られるケモノと、英雄たちの武勇伝。
小さい頃の宮祭りの主役は、天蓋にぶら下がって逃げ回る剛力と狐だった。
生命力あふれるパワフルな舞に、天蓋からハラハラと五色が散って。
あのワクワクがスタートなんだなーと。
物語性が豊かで、賑やかで、まつりに欠かせない。
舞台と客席の心をひとつにする素晴らしい要素が詰まっていますね。
☆本地中組神楽団・那須野☆
舞い始めて2、3年という新しい那須野。
悪狐伝を保持するのに、ほぼ同じ流れを持つ演目を選んだのはなぜか。
『那須野の古風な口上を芸の鍛錬として、若い団員の成長を願って取り組んでいます。一人一人が今、役柄に向き合っている所です。』と山団学団長。
・・・そういえば今度山田団長に、谷村新司さんの昴を聞かせてもらえって皆が言ってたよ
噛みしめるような口上です。
悪狐伝という選択もあったのに、那須野をやろう!と
団員さんが一丸となって練習に励んでこられました。
きっと、若い団員さんと共に存在が大きくなる演目です。
一緒に積み重ねていきましょうね!
※すぐ上の写真は、NPO門出佳大(よしひろ)さん撮影。
最近頼りっぱなしです。ありがとう!
☆梶矢神楽団 人身御供(宮本左門之助)☆
「人身御供」「女狐退治」「坂田峠」からなる三段返しの最初の演目にあたり、
この一連の物語は、石州・津和野の藩士「宮本差門之助」が、父の敵である「鈴木玄吾」の敵討を果たすまでのお話です。
亀戸天満宮の神様から、父の敵討ちを果たすためには、3つの大難があるとお告げを受ける左門之助。
ひとつめの難は、人身御供として神様に供えられる庄屋の娘の身代わりとなり櫝に入った左門之助が、そこに現れた狒々を退治するというものです。
『狒々は猿ですから、猿まねをします。この習性を生かして成敗します。』
ケモノとの知恵比べ。珍しい神楽でしょう。」
『先輩たちが残してくれた宝をね、梶矢の神楽として懸命に受け継いでいきますよ!』
キラキラと上田照明団長のお話です。
左門之助が身代わりになることを、庄屋夫婦に話す場面。
のんびりした雰囲気で展開します。
裏方の皆さんも声を揃える楽。胸が熱くなります。
左門之助が睨んだ通り、神様ではなくケモノの仕業だったのです。
奪われた刀を、猿まねの習性を生かして冷静に取り返す左門之助。
愛嬌がある狒々。見ていると情が移ります
写真が多いので、続くっ
2012,02,13 Mon 22:59