栗栖神楽団、頼政の支度中。
舞台そでの静かな緊張感。
さくらぴあの大ホール
ここはお客さんがとても近く感じられます。
今回、地元を代表して務められる栗栖神楽団の皆さん。
まずはその意気込みを伺いました。
私は少々緊張しておりますが、と控えめにお話を始められた山崎団長。
『若い団員たちが一生懸命舞って、想いを伝えてくれると思います。』嬉しさを語られました。
筒賀筋から、岩国・宇佐地区に流れ伝わった舞が、人から人へ試行錯誤を繰り返して、現在の栗栖神楽団へつながっているようです。
宇佐地区。私には新鮮な響きでして。
自分のなかにある神楽の系統図。知っているものの範囲に収めようとするのは、勉強不足で。とてももったいない。
ゆったりと雄々しく。
落ち着きのある舞い方に、瑞々しさが伴います。
今年の競演の優勝については、客席から覆いかぶさるようなお祝いの拍手が送られました。
地元の神楽団が持ち帰る喜びの報告が、その地域をどれだけ明るく照らし、元気付けるか改めて感じました。
この日さくらぴあで、沢山の労いと拍手を受け、栗栖の皆さんのコツコツは続きます。
楽と舞が互いに魅せ合います。
第2幕は、ゆかりの地で初披露となった《厳島》
崎内団長の挨拶から始まりました。
『本当に、皆さん、今日は見に来ていただいて、有難うございます。』
客席が静まり返るほど、気持ちがこもったお礼。
厳島を引き受けた経緯と、気持ちを、ひとりひとりに語りかけるように話され、お客さんはまっすぐ崎内団長を見ていました。
『崎内さん、まだ泣かないでくださいねー。これから舞いますから。』
と茶化しましたが、あれは私が泣きそうだったからです。
開発センターで胸が締め付けられられるような激しく厳しいやりとり。
練習後の帰り道『わしゃあ。。。これだけ頑張っとる団員に、まだあれだけのことを言わんにゃーいけんのんかっ!』と。初めてみる険しい表情で。
容赦なく近づく大舞台に、追い詰められた昨年の夏。
当初は苦労話を聞かせてもらおうかな、と思っていたのですが、もうその時期は過ぎましたね。
一番の願いは、この大切な演目を広島の皆さんと一緒に育て、共有することだとお話されました。
『宮島・厳島は広島の宝であり、個々に深い思い出を持つ場所。皆さんの忌憚のない意見が“厳島”を広島を代表する演目に育ててくれると思っています。』
厳島の成り立ちを神楽で紐解く。
『帆に風受ける帆掛船の如く。』血気盛んな清盛。
頂点を極める者の運命でしょうか。
時子の存在感。
大きく展開を重ねて激しさを増します。
恨みの大きさからか、この怨霊たちがひつこいのよっ
『我が頬伝うは飛沫か涙か・・・』 美!!
上演後、せっかくなので
『記念撮影しましょう』と集まってもらいました。
あれだけの舞台を務められた皆さんなのに、カメラを向けるとカッチカチの緊張顔で。。。
5枚目の写真です。
。。。よく考えたら、私、全然入ってないんですけど
「僕センターが良いです」と言い放った、栗栖の池田龍児さん。
こういう明るさが神楽団を中和してくれます。
センターに入れなかったからソロにしといたよー
※写真は、けんみん文化祭・記録写真から。
2011,10,25 Tue 16:44