

松原神楽団の斉藤直将団長の投稿が掲載されていました。
先日の松原地区の山林火災について。
奇しくも16日の定期公演が松原神楽団の出演日でしたので。
斉藤さんから、ニュースでは見えない当日の話を聞かせて頂きました。
命がけで消火にあたる消防署、消防団の皆さんへの後方支援。
こういった緊急事態の地元の方の“後方支援”について初めて聞いたので驚きました。
もしもの時、自分は何が出来るか、普段から考えていないと出来ない事ばかりです。
山林火災が多発する昨今。
その日のうちに鎮火し、今こういった話が出来ることが、不幸中の幸いだったとも感じます。



この日、上河内神楽団の皆様の「曽我兄弟」を拝見することが叶いました。
日本3大仇討ちの一つとして、後の世に語り継がれてきた鎌倉時代の大事件。
このお話には人間の強さ弱さ、優しさや悲しさ・・・あらゆるものが描かれ。
“大切な誰かに”重ねて観る方もいらっしゃると思います。
そして上河内神楽団の皆さまとの打ち合わせでは、この神楽をどれだけ大切に育ててこられたか胸に刻みました。


佑経、悪い奴!
~第六幕 上河内神楽団 曽我兄弟~
《今から25年以上も前のことですが。
当時、山根神楽団が舞う曽我兄弟を拝見し、衝撃を受けると同時に胸を強く打たれました。これがこの神楽に取り組んだきっかけです。
その後、山根神楽団の皆様に報告をさせて頂き、資料を集め独自の取材を重ね、およそ1年かけて本郷まつり・この神楽ドームで初演を迎えたと記憶しています。
美土里町北には、曽我神社があり、兄・曽我十郎祐経(すけなり)の恋人であった「虎御前」が祀られています。
仇討ちが決行された・陰暦5月28日に降る雨は、虎午前が流す涙と伝えられ「虎の雨」や「曽我の涙雨」と名が付けられています。
さて、幼い頃「工藤 祐経(すけつね)」に、父・河津祐泰(すけやす)を打たれた兄弟は、父の復讐ひとすじに生きる壮絶な生涯を送りました。
仇討ちが、若き二人の生きる目的であったろうと想像します。
よって他の神楽では、悪を成敗した後、晴れやかに嬉し舞を納めますが・・・
曽我兄弟では、母に許しを得て、いよいよ仇討ちへと向かうその道行を嬉し舞として。
そして本懐を遂げた後は、心穏やかに自らにけじめをつける心模様を舞いで表現します。》


〇あらすじだよー
源頼朝の家臣・河津祐泰(すけやす)は、赤沢山で、同じ家臣の工藤祐経(すけつね)の騙し討ちより憤死します。
祐泰の家来であった鬼王丸(きおうまる)も、佑経に連れ去られてしまいます。
それから18年の歳月が流れ、祐泰の息子・曽我十郎祐成(すけなり)と、五郎時致(ときむね)兄弟は立派に成長し、亡き父の遺恨を晴らそうと決意します。
母は、兄弟の志を讃えながらも、仇討ちを果たせば二度と生きて会うことないと反対します。
それでも兄弟は泣き濡れる母を説得し、これが口上の別れと兄弟は旅立ちます。
曽我兄弟が佑経の館へ向かうと、館では、富士の巻狩の任を無事に終えた酒宴が開かれていました。
兄弟は雨の降る中、館に忍び込みますが見張りの者に見つかってしまいます。
ところが、その見張りこそ、かつて連れ去られた鬼王丸でした。
鬼王丸は、この時を待っていたと兄弟に告げ、佑経の寝所に兄弟を案内し、見事本懐を遂げさせるのです。
2025,04,19 Sat 22:05
