清涼感をもたらす、梅雨色。
~プログラム8番 砂庭神楽団 神武天皇~
千代田競演の過去22回のうち、旧舞で唯一優勝を飾っているのが砂庭神楽団、そしてこの演目なんですね。
この度初めて拝見しましたが、今まで見た神楽とは全く違って衝撃的でした。
神楽の中で分かりやすく解かれる歴史や物語の多い中。
自分の知識や見識を問われるような感覚もあり、初心に帰って拝見しました。
若御毛沼命(わかみけるのみこと)は、日ノ臣ノ命(ひのおみのみこと)と大粂ノ命(おおくめのみこと)を従え、紀国・熊野へ赴きますが、上陸後、危機を迎えます。
その時、天照大御神より太刀を授かる正夢を見た高倉下(たかくらじ)が、その太刀を献上し、命達は難を逃れます。
長髄彦たちとの合戦も、独特です。
命の弓の先に止まった金鳶が勝利に導いてくれます。(命が写っていませんが)昔、絵本で見たような気がする・・・
長髄彦たちが退散していく場面です。
初代天皇の然るべき姿として、圧倒的に雄々しい姿が描かれます。
~プログラム9番 河内(こうち)神楽団 熱田の宮~
日本武尊の最期を描く演目。
「熱田の宮」という演目名は、日本武尊に特に関係の深い宮であるということから敬意をもって名づけられたそうです。
40年前にはすでに舞っておられたという熱田の宮。
人民を悩ますのは毒蛇であること。
武尊が草薙の剣を宮簾姫に預けるのは、剣を毒蛇に穢されたくないという一心から・・・
この物語も、神楽団によって解釈や演じ方は様々ですが、特に珍しく拝見しました。
東方征伐を終えた疲れを癒すため、武尊は熱田の里へと立ち寄ります。宮簾姫の扇の動きが美しく印象的でした~。
噂を聞きつけた里の翁は、人民を悩ます毒蛇退治を武尊に願います。
草薙の剣を宮簾姫に預け、熱田の宮の宝剣を頂き、伊吹山へと向かいます。
「伊吹山に出没する毒蛇」。物語はシンプルに描かれます。
2014,06,30 Mon 10:20